2012年05月25日
Life Career Up 日記 ~講演会開催までの道のり~
2012年5月20日(日)、今最も注目を浴びている経営者の一人であるライフネット生命保険株式会社副社長、岩瀬大輔氏の講演会を開催した。
あいにくの空模様ではあったが、総勢77名にご参加いただき、大きなトラブルも無く、主催者としての想いであった「気付きの場」を提供することが出来たのではないかと考える。
これは、この講演会を開催することとなった「きっかけ」から、その準備秘話、講演内容、そして個人としての感想を記すものとする。
これからの一歩一歩を踏み出す際の、羅針盤として、また記憶を残すための備忘録として記していきたい。
なお、いっちょ前に小説風に書いてみようと思う。
振り返って読んだら、恥ずかしいんだろうな(笑)
■はじまり
大学時代、沖縄県キャリアセンターでJr.ナビゲーター(大学生アドバイザー)としてアルバイトをしていたときの後輩である徳里政亮より、異業種交流会に誘われた。
何やら異業種の人たちと船を貸し切って、20代限定の異業種交流クルージングパーティーをするとのこと。
「おもしろそう!」
2012年4月14日(土) 参加してみると、総勢174名の参加者。県内企業のビジネスパーソンから、自営業者、フリーランスな方、学生など様々な方が参加していた。
非常に有意義な会であった。
その日、主催者の徳里くんから言われた。
「稲住さん、ライフネット生命の岩瀬大輔さんご存知ですか?僕、あの人沖縄に呼びたいんですよ。」
「うん。知っているよ。同じ金融業界であるし、面白い経歴の持ち主の方だし。ブログも少しだけど見ていて、気になっている経営者の一人だよ。沖縄に呼べたらいいね~。」
軽いノリで答えていた。
4月20日(金) この日は、同じく沖縄県キャリアセンターでJr.ナビゲーターをしていたときのもう一人の後輩、粟国健太郎と共に、県内外で活躍されている沖縄出身の著名な教育者の方のご自宅にお邪魔し、様々な経験談を学ばせてもらっていた。パラダイム・シフト(固定概念の変換)の多い学びだった。
その帰り道、徳里くんから1本のメールが。
「お願いがあります!ライフネット生命に問い合わせたところ、来る5月20日(日)であれば岩瀬さんの沖縄での講演会が可能とのことです。時間はないのですが、ぜひ開催したいので協力していただけないですか?」
なんという行動力だろう!こいつ、本当にアポとりやがった!
一緒にいた粟国くんにも話し、即、徳里くんへ電話。
「徳里くんと、オレ、そして粟国くんの3人でやろう!」
ほぼ、悩まずに即決した。
その足で本屋に駆け込み、岩瀬氏の著書『入社1年目の教科書』を購入。
がぁーっと読み、惹きつけられたところをノートに書き出していった。
講演会開催日の1か月前の夜のことであった。
■最初のMTG
「時間がない!」ということで、翌週の火曜日(4月24日)に3人で初めてのMTGを行なった。3人の共通項である沖縄県キャリアセンターでのJr.ナビゲーター時代には、就活生向けのイベントはいくつか企画・運営していた。ただ、今回は皆社会人であり、家庭も持っているため学生のときのように時間を自由に使うことは難しかった。
ただ、このまたとない機会を活かしたいという気持ちは3人共通であったので、短期間でできることをしっかりやろうということになった。
まず始めに行なったことは、講演会を開催する意義についてのブレーンストーミングであった。
徳里くんには今回講演を開催しようと思った背景として、「東京では著名人による講演会が多く開催されていて、『気付きの場』が多数ある。だが、沖縄においては地理的不利により、なかなかそういう場を開催できない状況にある。その課題を打破したい。」という強い想いがあった。
私と粟国くんもその想いに共感した。
ただ、「講演会を開催する。」という本質のところの目的は何だろうか。
今度はその点について、掘り下げていった。
・「講演会をしたい。」というよりは、そこに参加される方々と交流を図りたい。講演会に参加される方々はポテンシャルも高く、かつ学ぶ意欲が強い。そういう方たちと出会う、そして繋がることが出来る場にしたい。
・業界の異なる方々との関わりの中で様々なことを学び、自己の成長につながればとても魅力的だと思う。
・同世代の同じ想いを持った方々との交流の場が少ないように感じる。
・自分たちも社会人としてある程度年数を重ね、多くのインプットをしてきた。今度は、アウトプットしていく場も必要だ。
ブレーンストーミングを通して、様々な考えが出てきた。その考えのすべてが3人の価値観と共通するものであった。
「そうだ!コミュニティを作ろう!成長意欲の高い人たちが集まり、そこでインプットとアウトプットを行い、共に成長できるような、そんな場を作ろう!」
『Life Career Up Project』の誕生の瞬間であった。
■リアル型コミュニティ『Life Career Up』の誕生!
私でコミュニティのコンセプト、ミッション、活動内容等の草案を作成し、3人で更にブラッシュアップしていった。
そうして、コミュニティの大枠が決定した。
<コミュニティ概要>
1.コミュニティ名:Life Career Up
2.コミュニティコンセプト:「キャリア志向の高い人材層(20~30代)」を対象とした直接参加(リアル)型のコミュニティ。業種や職種、更には利害関係を超えて、自己や仲間の成長を真剣に考え、課題・問題解決を通して、共にキャリアアップを図れるコミュニティを目指す。
3.ミッション:現状に対して問題意識を持ってはいるものの、行動に移せなかったり、環境に流されてしまっている人は多く存在する。コミュニティを通して悩みや課題をクリアにし、現状にイノベーションを起こしていくことで自己実現につなげることが最大の目的である。(転職や起業を即すものではない。)
4.主な活動内容
(1)study group(勉強会)
所属する業界、職種についてや、関心のあるテーマ等を選定し勉強会を開催する。ナレッジの共有および業界研究に寄与し、併せてプレゼン力、フィードバックスキルの向上につなげる。
(2)seminar(講演会)
本コミュニティのコンセプトに合った講演会や交流会を企画し「気付き」の場を提供する。将来的に、コミュニティメンバーを講師とした講演会やセミナーの開催を目指す。
(3)discussion(討論会)
個人や、所属する組織の課題解決等に向けた討論会を開催する。守秘義務を徹底し、個人および企業情報保護に務め、安心して論議できる場を提供する。他の視点が入ることによって、より実効性のある課題解決策を導く。
(4)party(交流会)
コミュニティ内外の交流会等を企画し、メンバー同士の親睦を深めつつ県内外へも本コミュニティのつながりを広げていく。
5.コミュニティ対象者
新入社員(入社1年目)から35歳くらいまでのビジネスパーソン
わくわくしてきた!
後は、講演会の内容を詰めるだけだ!
■講演テーマはどうしよう?
今回の講演はコミュニティの創設および活動の一貫として開催したい。ただ、講演のテーマは何にしようと悩んでいた。
著書『入社1年目の教科書』に書かれているセンテンスをいくつかピックアップし、それを講演内容としてもらってはどうか。ハーバードビジネススクールでの経験を話してもらってはどうか。ライフネット生命の誕生秘話についてはどうか・・・。
様々な意見が出たが、どうもなかなかしっくりこない。
岩瀬さんは多数の著書を出版しており、どれもすでに本を通して把握できる内容である。著書の内容を本人の口から話してもらうことで、リアル感も伝わりより感じることも多いとは思うが、それだけでは何か物足りない。
今一度、コミュニティの原点に立ち戻り現状分析を行うこととした。
そもそもなぜ自分たちは今社会人になって、こういう活動をしようとしているのか・・・。
就職活動をしていたときは、常に意識を高め、不安や悩みについても仲間や、大学の就職課、あるいは県の公的機関等で相談することで1つ1つ解決していった。
だけど、社会人になると学生時代と異なり、社内だけに目が向くようになり、逆に世界が狭くなったように感じる。
もちろん、会社の看板を背負うわけだし、何でも自由に出来るわけではない。ただ、毎日仕事をこなしているだけになっていないか・・・。理想と現実のギャップに悩み、考え、でも与えられた仕事に忙殺され、考えること自体諦めてしまう。現状維持や自己防衛の考えが強くなってくる。
だから、沖縄は入社3年以内の離職率が全国ワースト1と言われるのか・・・。
そもそも、社会人になっての悩みを相談できる、共有できる場所が無いように感じる。
入社した会社任せのように感じる。
一度、離職をしたら就職活動を支援してくれる機関はたくさん存在するが、離職ありきのフォロー環境となっている。離職する前に救いの手を差し伸べられる、そんな取り組みはできないか。
いろいろと仮説を立て始めていた。
そこでふとアイディアが湧いてきた。
「岩瀬さん自身の経験を軸にし、就職・転職・留学・企業等のキャリア構築に向けた取り組みや、そこでのターニングポイント、また今後のキャリアアップについて、岩瀬さん自身のキャリア感を含めて講演いただいたらどうか!岩瀬さんが著書でも述べられている『キャリアは能動的に作っていく。』ということを、聴講者が学び、自身のキャリア形成(デザイン)における可能性を広げるきっかけになれば、主催者としての目的は達成するのではないか!」
社会人向けのキャリアを形成していくきっかけとなる講演会。
講演テーマ、『入社3年目からのキャリアデザイン』が決定した。
あいにくの空模様ではあったが、総勢77名にご参加いただき、大きなトラブルも無く、主催者としての想いであった「気付きの場」を提供することが出来たのではないかと考える。
これは、この講演会を開催することとなった「きっかけ」から、その準備秘話、講演内容、そして個人としての感想を記すものとする。
これからの一歩一歩を踏み出す際の、羅針盤として、また記憶を残すための備忘録として記していきたい。
なお、いっちょ前に小説風に書いてみようと思う。
振り返って読んだら、恥ずかしいんだろうな(笑)
■はじまり
大学時代、沖縄県キャリアセンターでJr.ナビゲーター(大学生アドバイザー)としてアルバイトをしていたときの後輩である徳里政亮より、異業種交流会に誘われた。
何やら異業種の人たちと船を貸し切って、20代限定の異業種交流クルージングパーティーをするとのこと。
「おもしろそう!」
2012年4月14日(土) 参加してみると、総勢174名の参加者。県内企業のビジネスパーソンから、自営業者、フリーランスな方、学生など様々な方が参加していた。
非常に有意義な会であった。
その日、主催者の徳里くんから言われた。
「稲住さん、ライフネット生命の岩瀬大輔さんご存知ですか?僕、あの人沖縄に呼びたいんですよ。」
「うん。知っているよ。同じ金融業界であるし、面白い経歴の持ち主の方だし。ブログも少しだけど見ていて、気になっている経営者の一人だよ。沖縄に呼べたらいいね~。」
軽いノリで答えていた。
4月20日(金) この日は、同じく沖縄県キャリアセンターでJr.ナビゲーターをしていたときのもう一人の後輩、粟国健太郎と共に、県内外で活躍されている沖縄出身の著名な教育者の方のご自宅にお邪魔し、様々な経験談を学ばせてもらっていた。パラダイム・シフト(固定概念の変換)の多い学びだった。
その帰り道、徳里くんから1本のメールが。
「お願いがあります!ライフネット生命に問い合わせたところ、来る5月20日(日)であれば岩瀬さんの沖縄での講演会が可能とのことです。時間はないのですが、ぜひ開催したいので協力していただけないですか?」
なんという行動力だろう!こいつ、本当にアポとりやがった!
一緒にいた粟国くんにも話し、即、徳里くんへ電話。
「徳里くんと、オレ、そして粟国くんの3人でやろう!」
ほぼ、悩まずに即決した。
その足で本屋に駆け込み、岩瀬氏の著書『入社1年目の教科書』を購入。
がぁーっと読み、惹きつけられたところをノートに書き出していった。
講演会開催日の1か月前の夜のことであった。
■最初のMTG
「時間がない!」ということで、翌週の火曜日(4月24日)に3人で初めてのMTGを行なった。3人の共通項である沖縄県キャリアセンターでのJr.ナビゲーター時代には、就活生向けのイベントはいくつか企画・運営していた。ただ、今回は皆社会人であり、家庭も持っているため学生のときのように時間を自由に使うことは難しかった。
ただ、このまたとない機会を活かしたいという気持ちは3人共通であったので、短期間でできることをしっかりやろうということになった。
まず始めに行なったことは、講演会を開催する意義についてのブレーンストーミングであった。
徳里くんには今回講演を開催しようと思った背景として、「東京では著名人による講演会が多く開催されていて、『気付きの場』が多数ある。だが、沖縄においては地理的不利により、なかなかそういう場を開催できない状況にある。その課題を打破したい。」という強い想いがあった。
私と粟国くんもその想いに共感した。
ただ、「講演会を開催する。」という本質のところの目的は何だろうか。
今度はその点について、掘り下げていった。
・「講演会をしたい。」というよりは、そこに参加される方々と交流を図りたい。講演会に参加される方々はポテンシャルも高く、かつ学ぶ意欲が強い。そういう方たちと出会う、そして繋がることが出来る場にしたい。
・業界の異なる方々との関わりの中で様々なことを学び、自己の成長につながればとても魅力的だと思う。
・同世代の同じ想いを持った方々との交流の場が少ないように感じる。
・自分たちも社会人としてある程度年数を重ね、多くのインプットをしてきた。今度は、アウトプットしていく場も必要だ。
ブレーンストーミングを通して、様々な考えが出てきた。その考えのすべてが3人の価値観と共通するものであった。
「そうだ!コミュニティを作ろう!成長意欲の高い人たちが集まり、そこでインプットとアウトプットを行い、共に成長できるような、そんな場を作ろう!」
『Life Career Up Project』の誕生の瞬間であった。
■リアル型コミュニティ『Life Career Up』の誕生!
私でコミュニティのコンセプト、ミッション、活動内容等の草案を作成し、3人で更にブラッシュアップしていった。
そうして、コミュニティの大枠が決定した。
<コミュニティ概要>
1.コミュニティ名:Life Career Up
2.コミュニティコンセプト:「キャリア志向の高い人材層(20~30代)」を対象とした直接参加(リアル)型のコミュニティ。業種や職種、更には利害関係を超えて、自己や仲間の成長を真剣に考え、課題・問題解決を通して、共にキャリアアップを図れるコミュニティを目指す。
3.ミッション:現状に対して問題意識を持ってはいるものの、行動に移せなかったり、環境に流されてしまっている人は多く存在する。コミュニティを通して悩みや課題をクリアにし、現状にイノベーションを起こしていくことで自己実現につなげることが最大の目的である。(転職や起業を即すものではない。)
4.主な活動内容
(1)study group(勉強会)
所属する業界、職種についてや、関心のあるテーマ等を選定し勉強会を開催する。ナレッジの共有および業界研究に寄与し、併せてプレゼン力、フィードバックスキルの向上につなげる。
(2)seminar(講演会)
本コミュニティのコンセプトに合った講演会や交流会を企画し「気付き」の場を提供する。将来的に、コミュニティメンバーを講師とした講演会やセミナーの開催を目指す。
(3)discussion(討論会)
個人や、所属する組織の課題解決等に向けた討論会を開催する。守秘義務を徹底し、個人および企業情報保護に務め、安心して論議できる場を提供する。他の視点が入ることによって、より実効性のある課題解決策を導く。
(4)party(交流会)
コミュニティ内外の交流会等を企画し、メンバー同士の親睦を深めつつ県内外へも本コミュニティのつながりを広げていく。
5.コミュニティ対象者
新入社員(入社1年目)から35歳くらいまでのビジネスパーソン
わくわくしてきた!
後は、講演会の内容を詰めるだけだ!
■講演テーマはどうしよう?
今回の講演はコミュニティの創設および活動の一貫として開催したい。ただ、講演のテーマは何にしようと悩んでいた。
著書『入社1年目の教科書』に書かれているセンテンスをいくつかピックアップし、それを講演内容としてもらってはどうか。ハーバードビジネススクールでの経験を話してもらってはどうか。ライフネット生命の誕生秘話についてはどうか・・・。
様々な意見が出たが、どうもなかなかしっくりこない。
岩瀬さんは多数の著書を出版しており、どれもすでに本を通して把握できる内容である。著書の内容を本人の口から話してもらうことで、リアル感も伝わりより感じることも多いとは思うが、それだけでは何か物足りない。
今一度、コミュニティの原点に立ち戻り現状分析を行うこととした。
そもそもなぜ自分たちは今社会人になって、こういう活動をしようとしているのか・・・。
就職活動をしていたときは、常に意識を高め、不安や悩みについても仲間や、大学の就職課、あるいは県の公的機関等で相談することで1つ1つ解決していった。
だけど、社会人になると学生時代と異なり、社内だけに目が向くようになり、逆に世界が狭くなったように感じる。
もちろん、会社の看板を背負うわけだし、何でも自由に出来るわけではない。ただ、毎日仕事をこなしているだけになっていないか・・・。理想と現実のギャップに悩み、考え、でも与えられた仕事に忙殺され、考えること自体諦めてしまう。現状維持や自己防衛の考えが強くなってくる。
だから、沖縄は入社3年以内の離職率が全国ワースト1と言われるのか・・・。
そもそも、社会人になっての悩みを相談できる、共有できる場所が無いように感じる。
入社した会社任せのように感じる。
一度、離職をしたら就職活動を支援してくれる機関はたくさん存在するが、離職ありきのフォロー環境となっている。離職する前に救いの手を差し伸べられる、そんな取り組みはできないか。
いろいろと仮説を立て始めていた。
そこでふとアイディアが湧いてきた。
「岩瀬さん自身の経験を軸にし、就職・転職・留学・企業等のキャリア構築に向けた取り組みや、そこでのターニングポイント、また今後のキャリアアップについて、岩瀬さん自身のキャリア感を含めて講演いただいたらどうか!岩瀬さんが著書でも述べられている『キャリアは能動的に作っていく。』ということを、聴講者が学び、自身のキャリア形成(デザイン)における可能性を広げるきっかけになれば、主催者としての目的は達成するのではないか!」
社会人向けのキャリアを形成していくきっかけとなる講演会。
講演テーマ、『入社3年目からのキャリアデザイン』が決定した。
■人が集まらない!
講演テーマが決まったところで、講演会場の選定と、講演参加対象者、告知方法についてのMTGを行なった。
講演会場はすぐに沖縄県立博物館・美術館に決定した。綺麗で設備も整った施設であり、キャパも200名程度。駐車場もあり、立地についても問題なかった。また、岩瀬さんのネームバリューなら200名なんてすぐ集まると思い、講演テーマからも対象者を20~30代の若手ビジネスパーソンに限定した。学生まで対象を広げてしまうと、時間に比較的余裕のある学生が参加者の大半を占めることとなり、講演テーマから外れてしまう可能性を懸念した。告知方法については、今回は個人で企画・運営をしているため、運営費がほとんどなく、お金をかけた広報活動はできないのは明白だった。
いくつか告知媒体を検討した。
・Facebook、twitter等のSNS
・セミナーサイト(沖縄県セミナーサイト『narayun』)
・各種新聞の告知欄(無料掲載欄への投稿)
・チラシ配付(県内の大型書店等へ設置)
ネットを活用した告知活動をメインとし、その補足で紙媒体での告知を行うスタンスとした。なんせ、開催まで3週間をきっていたため、とにかく時間がなかった。
Facebookでのイベント案内およぶセミナーサイト『narayun』での開催案内をオープンにしたのが、5月2日(水)。開催日の18日前であった。世間はGW真っただ中で遊ぶのに夢中。自己啓発的なセミナーには関心もいかず、申し込みも数件・・・。本当に集まるのだろうか。一抹の不安を覚えた。
粟国くん、徳里くんと共に、意識の高いと思う同年代のビジネスパーソンへ、メールや電話でお誘い。Facebook内では、ライフネット生命の案内や、岩瀬氏の著書や動画の案内、今回の講演会開催の目的などを投稿していき、少しでも興味を持っていただけるようにアプローチを続けた。
それでもなかなか参加申し込みが増えない。1日1件の申し込みがあるかないか。
200名の参加者を3週間足らずで集めようとしたこと自体が、そもそも無謀だったのか・・・。
高を括っていた集客が、一番の課題となっていた。
ただ、集客においては1つのターニングポイントがあった。
セミナーサイト『narayun』内の本講演会のページにおけるFacebookの「いいね!」が200を超えている状況であった。他の講演会のページを見てみても、「いいね!」の数は1桁から多くても2桁くらい。自分たちの講演会が注目を浴びていることには間違いなかった。
そこで、行動力が強みの徳里くんが『narayun』を運営している会社へ直接電話をし、結果的に社長と直接お会いし、集客に向けてのアドバイスを受けることとなったのだ!
ここでも徳里くんの行動力には驚かされた。
沖縄のセミナー情報サイト『narayun』を運営している株式会社haisの銘苅社長は、まだ30代前半の若手起業家だった。ただ、若手起業家特有のがつがつ感は全然なく、自然体で仕事を楽しんでいるようであった。
お会いはしたものの、集客に向けたアドバイスなどは特に無く(?)、このサイトの作成秘話や、今後の展望、銘刈社長の起業についてのエピソードなど、フリートークで終了した。
ただ、「いいね!」の数を評価していただき、『narayun』のトップページにある「注目のセミナー」に私たちの講演会が掲載されることとなった。
講演会開催まで残り5日であった。
ここから、飛躍的に申し込み者数が増加する!
■準備、準備、準備!
講演会開催まで残り1週間を切った。
当日配付するための資料や、タイムスケジュール、司会シナリオ等を作り込んでいく。
面白いことに、それぞれの得意分野ごとに自然と仕事が分担され、期待を上回る成果物が次々と出来上がってきた。
学生時代にそれぞれ大きなイベントを企画・運営してきた経験があることから、事前準備の重要性については3人とも重々理解していた。
今回の講演会を運営していく上での最大の目標は、「タイムスケジュールを徹底すること」であった。どんなに良い内容の講演会であっても、予定終了時刻を5分でも超えると参加者の不満足につながることとなる。それは講演者にとっても、参加者にとっても非常に申し訳ないことである。また、岩瀬さんの過密スケジュールも重なり、タイムマネジメントを徹底することが最重要課題であった。
そのため、当日の流れはMTGの中で何度も打ち合わせを行い、シミュレーションしていった。
分刻みでタイムスケジュールに落とし、役割を明確にし、可視化した。
併せて、司会シナリオについても内容を確認し合い、実際にプレゼンテーションをしながら修正をしていった。ただ、司会を担当する粟国くんのプレゼンテーション力は高く、ほとんど文句の付けようのない内容に仕上がっていた。時間管理もバッチリだった。
事前準備もほぼ完了!
集客については、その時点ではチケット購入ベースで50名強しかいなかったが、「参加してくれる方々に満足してもらうということを一番の目的としよう。」と話し合い、積極的な参加案内はもう行わないこととした。
後は、本番を待つのみ!
■軌道修正!
今回の講演会のアポイントを取れた最大の理由は、実は私たちの講演会が行われる前日の5月19日に、県内の別の団体(沖縄アイデアラボさん)が主催する講演会が行われることが決まっており、翌日岩瀬さんが東京へ戻られる前の数時間を、私たちの講演会の時間として偶然いただくことが出来たというものであった。
岩瀬さんとは、今回の講演会について直接打ち合わせをさせてもらってはいなかった(事前打ち合わせはライフネット生命の人事担当の方とのみ)ので、前日にお会いできるチャンスは大きいと、3人で沖縄アイデアラボさん主催の講演会に参加することとした。
その講演会は、告知もそこまで大きくされていなかったため、参加者も20名ほどと小規模なものであった。
岩瀬さんの講演内容は、「ライフネット生命の立ち上げ」と題して、主にライフネット生命の誕生秘話や、立ち上げ話、現在の取り組みという、言わば会社案内がメインの内容であった。
おもしろい話であった。本にはない話なども出てきて。だけど、正直、明日の講演会もこの内容では困る・・・。参加者が聞きたいのは、ライフネット生命の生い立ちについてではなくて、岩瀬さんの経験を基にしたキャリア形成についてである。3人、顔を見合わせて焦った。
岩瀬さんは講演会終了後、別件があるということであまり時間はなかった。
3分だけ時間をいただきたいとお願いし、自分たちの企画した講演会の目的をまとめたペーパーを1枚渡して、「今日の講演会の内容もよかったのですが、明日はこのペーパーにある内容でご講演いただきたいです。」と伝えた。
本当はその場でいろいろと想いを伝えたかったが、何しろ次の予定で急いでいる様子であったので、事前にまとめたペーパーに想いを託した。
「明日はお待ちしております!どうぞよろしくお願いします!」
そう付け加えるのが、精一杯であった。
その後、3人でMTGを行なった。
私たちの講演内容の趣旨が、岩瀬さんにきれいに伝わっていないのではないか。明日もライフネット生命の生い立ちについての講演内容になってしまうと、参加者の満足に欠けてしまう。どうすれば私たちの意図する講演内容で、ご講演いただけるか。
結果、以下の2つを行うこととした。
1. 事前にお渡ししたペーパーを基に、再度、講演開始前の控え室にて講演内容をお伝えする。
2. 講演の後半に質疑応答時間を多めに確保し、主催者側としてもテーマに沿った質問を数点行うことにより、講演内容の軌道修正を行うこととする。
講演会前日における大きな軌道修正となった。
■講演会開始まで残りわずか・・・。
いよいよ講演会当日となった。が、朝からあいにくの雨。ただの雨であればいいが、横殴りの大雨ときた。これだと、参加者の足に支障をきたすし、最悪欠席が多いかも・・・。
不安ばかり募る。
ただ、天気はどうしようもないものなので、講演会開催時間までには天気が回復してくれることを願い、当日の準備に集中した。
会場設営も終了し、後は参加者を待つだけ。
おっと、自分にはまだ大きな仕事が残されている。岩瀬さんとの事前打ち合わせだ。まさか、講演会当日に講演内容を詰めることになるなんて・・・。そもそもそんな大役、自分に務まるのか。なんて、今更考えても遅いし、なるようになれ!
そう思い直し、岩瀬さんの到着を待った。
開演15分前に岩瀬さんは到着した。
急ぎ、控え室に案内し、今回の講演会開催の趣旨、私たち主催者の想い、そして講演いただきたい内容についてお話をした。
今最も注目されている経営者を前に、めちゃくちゃ緊張しながらも、伝えたい想いを伝えた。
岩瀬さんは一言、「わかりました。」と仰って、その場でパソコンを立ち上げ、パワーポイントを作成し始めた。私の伝えた講演内容に併せて、新たな資料スライドを作成したのだ。
わぁお!まさか、講演会会場の控え室で、10分後に行われる講演内容の資料を、今作成するなんて!
回転の速さとブラインドタッチの速さに、呆然とした。
どうにか、主催者側の想いは伝えることが出来た。
後は、本番のみ!
司会である粟国くんの開会の挨拶が聞こえてきた。
■講演会スタート!
講演会がスタートした。
会場の入りは、多くもなく少なくもなくといった感じで、見栄えとしては問題なかった。
岩瀬さん自身の生い立ちから、就職、転職、留学、起業等のキャリアパスについて、ライフネット生命の立ち上げについて、ご講演いただいた。
以下は、参加者の皆さまが感銘を受けたという講演内容を一部掲載する。
・Your Story 自分の子供たちにどんな物語を語り継ぎたいですか。
・今後の人生、あと何ができれば満足か。
→私も60歳になったときに、30代の若者をつかまえて一緒にビジネスをしたい。人生は最後が大切だから。
・能力の差はほとんどない。行動力で差がつく。
→行動力が大事であるということを理解する。そして、言ったらすぐ行動に移す。そういったシンプルなことがなかなかできない。
・読んだ本に感銘を受けたら、著者に手紙を書いてみる。
→行動力発揮の1つである。『入社1年目の教科書』も現時点で14万部売れているが、直筆の手紙を頂いたのは、わずか14人ほど。そのうち、半数の7名には何らかの形でお会いし、今でも付き合いがある人もいる。本を購入した人、10,000人のうち、手紙を出しているのは1人の計算となる。行動している人は、思っている以上に少ない。だが、手紙を出すという行動はそんなに難しいものでもない。
行動するかしないかの違いだけだ。
・「何をやるか」より「誰とやるか」/自分にしかできない「何か」/社会に足跡を残す仕事
・人生は大陸を鉄道で横断する旅のようなもの。どこかにたどり着く事がゴールではなくて、歩んでいる道のりが目的なんだ。
・あなたの悩みはすでに、どこかの誰かが同じように悩んでいて、しかもすでに解決している。だから、答えは何かしらの形で必ず見つかるものだ。
・あなたが仮に2年間をかけてMBAを学ぶとする。あなたは次の二択においてどれを選ぶか。「2年間しっかりと学習して、卒業証書は貰わない。」または、「2年間の学習をすっ飛ばして、卒業証書だけ貰う。」目的が何であるかが大事であることを、理解してほしい。
講演内容の全体として、私たち主催者がテーマとしていたキャリアについて、しっかりと盛り込まれており、また参加者の感想としても非常にうれしいものばかりであった。
テーマに沿った内容の講演であり、かつ参加者へも伝わっている!
そう実感した。
■岩瀬さんの見送り
講演会も終了し、希望者のみのサイン会も終了した。
事前に手配していたタクシーに岩瀬さんを案内し、無事お見送りすることができた。
岩瀬さんの飛行機の出発予定時刻が16:40で、会場を出たのが15:30。
タイムマネジメントを適確に行うことができた結果であった。
最後に岩瀬さんはこう言ってタクシーに乗り込んだ。
「ぜひ、来年は梅雨が明けた時期に呼んでくださいよ。今日はいい講演会でした。」
一緒に見送りをしていた粟国くんと、ガッツポーズをした。
■交流会スタート!
講演会の後は場所を移し、スナックとソフトドリンクで簡単な交流会を開催した。約20名の方にご参加いただき、講演会の感想や、それぞれのキャリアについての考えなどを聞くことが出来た。
嬉しかったのは、私たちの活動におけるコンセプトに共感していただいたことであった。
「また、講演会企画してくださいよ!」と言ってくださる方に、「ぜひ、今度は一緒に企画しましょう!」と答えた。だって、自分たちも特別とかでも何でもなく、ちょっとした行動と努力の結果であり、皆さんと何ら変わらないんだから。
同じような想いを持った方々が集まると、そこにはプラスの空気が流れていて、皆が笑顔で希望に満ち溢れていて、次はどんな面白いことが待ちわびているのかというワクワク感が漂っていて。
とても居心地のいい雰囲気だった。
交流会も幕を閉じ、当日サポートメンバーと共に、近くの居酒屋で軽い打ち上げ。
アルコールがすきっ腹に染み渡り、達成感と心地よい疲労感に身を任せながら、皆を慰労した。
「これからがスタートだな!」
3人でそう言って、家路についた。
■おわりに
後輩の徳里くんからのひょんな誘いから始まった講演会の企画・運営。
この経験を通して、再度、自分自身のキャリア形成についても見つめ直すきっかけとなった。
現時点では、「どうしたい」という具体的な答えは見い出せてはいないが、今回の講演会でも学んだように、「自身の可能性を信じ行動することで、必ずや想いは実現できる。」ということを、自分自身も含めて証明していきたいと考えている。
組織に属している中で、「個」として出来ることは何か。また、同じ想いを持ったメンバーと、同じ方向にベクトルを合わせて動くことで、ここまで大きな力が生まれるのか。
この活動を通して、今後に向けてのヒントを見つけることができたと思う。
最後に、この企画においてご協力いただいた関係者の皆様に感謝し、終わりにしたいと思う。
Life Career Upの活動はこれからがスタートとなる。
"『未来』って、「今」をどうするかだ。"をmissionに今後も活動していきたい。
講演テーマが決まったところで、講演会場の選定と、講演参加対象者、告知方法についてのMTGを行なった。
講演会場はすぐに沖縄県立博物館・美術館に決定した。綺麗で設備も整った施設であり、キャパも200名程度。駐車場もあり、立地についても問題なかった。また、岩瀬さんのネームバリューなら200名なんてすぐ集まると思い、講演テーマからも対象者を20~30代の若手ビジネスパーソンに限定した。学生まで対象を広げてしまうと、時間に比較的余裕のある学生が参加者の大半を占めることとなり、講演テーマから外れてしまう可能性を懸念した。告知方法については、今回は個人で企画・運営をしているため、運営費がほとんどなく、お金をかけた広報活動はできないのは明白だった。
いくつか告知媒体を検討した。
・Facebook、twitter等のSNS
・セミナーサイト(沖縄県セミナーサイト『narayun』)
・各種新聞の告知欄(無料掲載欄への投稿)
・チラシ配付(県内の大型書店等へ設置)
ネットを活用した告知活動をメインとし、その補足で紙媒体での告知を行うスタンスとした。なんせ、開催まで3週間をきっていたため、とにかく時間がなかった。
Facebookでのイベント案内およぶセミナーサイト『narayun』での開催案内をオープンにしたのが、5月2日(水)。開催日の18日前であった。世間はGW真っただ中で遊ぶのに夢中。自己啓発的なセミナーには関心もいかず、申し込みも数件・・・。本当に集まるのだろうか。一抹の不安を覚えた。
粟国くん、徳里くんと共に、意識の高いと思う同年代のビジネスパーソンへ、メールや電話でお誘い。Facebook内では、ライフネット生命の案内や、岩瀬氏の著書や動画の案内、今回の講演会開催の目的などを投稿していき、少しでも興味を持っていただけるようにアプローチを続けた。
それでもなかなか参加申し込みが増えない。1日1件の申し込みがあるかないか。
200名の参加者を3週間足らずで集めようとしたこと自体が、そもそも無謀だったのか・・・。
高を括っていた集客が、一番の課題となっていた。
ただ、集客においては1つのターニングポイントがあった。
セミナーサイト『narayun』内の本講演会のページにおけるFacebookの「いいね!」が200を超えている状況であった。他の講演会のページを見てみても、「いいね!」の数は1桁から多くても2桁くらい。自分たちの講演会が注目を浴びていることには間違いなかった。
そこで、行動力が強みの徳里くんが『narayun』を運営している会社へ直接電話をし、結果的に社長と直接お会いし、集客に向けてのアドバイスを受けることとなったのだ!
ここでも徳里くんの行動力には驚かされた。
沖縄のセミナー情報サイト『narayun』を運営している株式会社haisの銘苅社長は、まだ30代前半の若手起業家だった。ただ、若手起業家特有のがつがつ感は全然なく、自然体で仕事を楽しんでいるようであった。
お会いはしたものの、集客に向けたアドバイスなどは特に無く(?)、このサイトの作成秘話や、今後の展望、銘刈社長の起業についてのエピソードなど、フリートークで終了した。
ただ、「いいね!」の数を評価していただき、『narayun』のトップページにある「注目のセミナー」に私たちの講演会が掲載されることとなった。
講演会開催まで残り5日であった。
ここから、飛躍的に申し込み者数が増加する!
■準備、準備、準備!
講演会開催まで残り1週間を切った。
当日配付するための資料や、タイムスケジュール、司会シナリオ等を作り込んでいく。
面白いことに、それぞれの得意分野ごとに自然と仕事が分担され、期待を上回る成果物が次々と出来上がってきた。
学生時代にそれぞれ大きなイベントを企画・運営してきた経験があることから、事前準備の重要性については3人とも重々理解していた。
今回の講演会を運営していく上での最大の目標は、「タイムスケジュールを徹底すること」であった。どんなに良い内容の講演会であっても、予定終了時刻を5分でも超えると参加者の不満足につながることとなる。それは講演者にとっても、参加者にとっても非常に申し訳ないことである。また、岩瀬さんの過密スケジュールも重なり、タイムマネジメントを徹底することが最重要課題であった。
そのため、当日の流れはMTGの中で何度も打ち合わせを行い、シミュレーションしていった。
分刻みでタイムスケジュールに落とし、役割を明確にし、可視化した。
併せて、司会シナリオについても内容を確認し合い、実際にプレゼンテーションをしながら修正をしていった。ただ、司会を担当する粟国くんのプレゼンテーション力は高く、ほとんど文句の付けようのない内容に仕上がっていた。時間管理もバッチリだった。
事前準備もほぼ完了!
集客については、その時点ではチケット購入ベースで50名強しかいなかったが、「参加してくれる方々に満足してもらうということを一番の目的としよう。」と話し合い、積極的な参加案内はもう行わないこととした。
後は、本番を待つのみ!
■軌道修正!
今回の講演会のアポイントを取れた最大の理由は、実は私たちの講演会が行われる前日の5月19日に、県内の別の団体(沖縄アイデアラボさん)が主催する講演会が行われることが決まっており、翌日岩瀬さんが東京へ戻られる前の数時間を、私たちの講演会の時間として偶然いただくことが出来たというものであった。
岩瀬さんとは、今回の講演会について直接打ち合わせをさせてもらってはいなかった(事前打ち合わせはライフネット生命の人事担当の方とのみ)ので、前日にお会いできるチャンスは大きいと、3人で沖縄アイデアラボさん主催の講演会に参加することとした。
その講演会は、告知もそこまで大きくされていなかったため、参加者も20名ほどと小規模なものであった。
岩瀬さんの講演内容は、「ライフネット生命の立ち上げ」と題して、主にライフネット生命の誕生秘話や、立ち上げ話、現在の取り組みという、言わば会社案内がメインの内容であった。
おもしろい話であった。本にはない話なども出てきて。だけど、正直、明日の講演会もこの内容では困る・・・。参加者が聞きたいのは、ライフネット生命の生い立ちについてではなくて、岩瀬さんの経験を基にしたキャリア形成についてである。3人、顔を見合わせて焦った。
岩瀬さんは講演会終了後、別件があるということであまり時間はなかった。
3分だけ時間をいただきたいとお願いし、自分たちの企画した講演会の目的をまとめたペーパーを1枚渡して、「今日の講演会の内容もよかったのですが、明日はこのペーパーにある内容でご講演いただきたいです。」と伝えた。
本当はその場でいろいろと想いを伝えたかったが、何しろ次の予定で急いでいる様子であったので、事前にまとめたペーパーに想いを託した。
「明日はお待ちしております!どうぞよろしくお願いします!」
そう付け加えるのが、精一杯であった。
その後、3人でMTGを行なった。
私たちの講演内容の趣旨が、岩瀬さんにきれいに伝わっていないのではないか。明日もライフネット生命の生い立ちについての講演内容になってしまうと、参加者の満足に欠けてしまう。どうすれば私たちの意図する講演内容で、ご講演いただけるか。
結果、以下の2つを行うこととした。
1. 事前にお渡ししたペーパーを基に、再度、講演開始前の控え室にて講演内容をお伝えする。
2. 講演の後半に質疑応答時間を多めに確保し、主催者側としてもテーマに沿った質問を数点行うことにより、講演内容の軌道修正を行うこととする。
講演会前日における大きな軌道修正となった。
■講演会開始まで残りわずか・・・。
いよいよ講演会当日となった。が、朝からあいにくの雨。ただの雨であればいいが、横殴りの大雨ときた。これだと、参加者の足に支障をきたすし、最悪欠席が多いかも・・・。
不安ばかり募る。
ただ、天気はどうしようもないものなので、講演会開催時間までには天気が回復してくれることを願い、当日の準備に集中した。
会場設営も終了し、後は参加者を待つだけ。
おっと、自分にはまだ大きな仕事が残されている。岩瀬さんとの事前打ち合わせだ。まさか、講演会当日に講演内容を詰めることになるなんて・・・。そもそもそんな大役、自分に務まるのか。なんて、今更考えても遅いし、なるようになれ!
そう思い直し、岩瀬さんの到着を待った。
開演15分前に岩瀬さんは到着した。
急ぎ、控え室に案内し、今回の講演会開催の趣旨、私たち主催者の想い、そして講演いただきたい内容についてお話をした。
今最も注目されている経営者を前に、めちゃくちゃ緊張しながらも、伝えたい想いを伝えた。
岩瀬さんは一言、「わかりました。」と仰って、その場でパソコンを立ち上げ、パワーポイントを作成し始めた。私の伝えた講演内容に併せて、新たな資料スライドを作成したのだ。
わぁお!まさか、講演会会場の控え室で、10分後に行われる講演内容の資料を、今作成するなんて!
回転の速さとブラインドタッチの速さに、呆然とした。
どうにか、主催者側の想いは伝えることが出来た。
後は、本番のみ!
司会である粟国くんの開会の挨拶が聞こえてきた。
■講演会スタート!
講演会がスタートした。
会場の入りは、多くもなく少なくもなくといった感じで、見栄えとしては問題なかった。
岩瀬さん自身の生い立ちから、就職、転職、留学、起業等のキャリアパスについて、ライフネット生命の立ち上げについて、ご講演いただいた。
以下は、参加者の皆さまが感銘を受けたという講演内容を一部掲載する。
・Your Story 自分の子供たちにどんな物語を語り継ぎたいですか。
・今後の人生、あと何ができれば満足か。
→私も60歳になったときに、30代の若者をつかまえて一緒にビジネスをしたい。人生は最後が大切だから。
・能力の差はほとんどない。行動力で差がつく。
→行動力が大事であるということを理解する。そして、言ったらすぐ行動に移す。そういったシンプルなことがなかなかできない。
・読んだ本に感銘を受けたら、著者に手紙を書いてみる。
→行動力発揮の1つである。『入社1年目の教科書』も現時点で14万部売れているが、直筆の手紙を頂いたのは、わずか14人ほど。そのうち、半数の7名には何らかの形でお会いし、今でも付き合いがある人もいる。本を購入した人、10,000人のうち、手紙を出しているのは1人の計算となる。行動している人は、思っている以上に少ない。だが、手紙を出すという行動はそんなに難しいものでもない。
行動するかしないかの違いだけだ。
・「何をやるか」より「誰とやるか」/自分にしかできない「何か」/社会に足跡を残す仕事
・人生は大陸を鉄道で横断する旅のようなもの。どこかにたどり着く事がゴールではなくて、歩んでいる道のりが目的なんだ。
・あなたの悩みはすでに、どこかの誰かが同じように悩んでいて、しかもすでに解決している。だから、答えは何かしらの形で必ず見つかるものだ。
・あなたが仮に2年間をかけてMBAを学ぶとする。あなたは次の二択においてどれを選ぶか。「2年間しっかりと学習して、卒業証書は貰わない。」または、「2年間の学習をすっ飛ばして、卒業証書だけ貰う。」目的が何であるかが大事であることを、理解してほしい。
講演内容の全体として、私たち主催者がテーマとしていたキャリアについて、しっかりと盛り込まれており、また参加者の感想としても非常にうれしいものばかりであった。
テーマに沿った内容の講演であり、かつ参加者へも伝わっている!
そう実感した。
■岩瀬さんの見送り
講演会も終了し、希望者のみのサイン会も終了した。
事前に手配していたタクシーに岩瀬さんを案内し、無事お見送りすることができた。
岩瀬さんの飛行機の出発予定時刻が16:40で、会場を出たのが15:30。
タイムマネジメントを適確に行うことができた結果であった。
最後に岩瀬さんはこう言ってタクシーに乗り込んだ。
「ぜひ、来年は梅雨が明けた時期に呼んでくださいよ。今日はいい講演会でした。」
一緒に見送りをしていた粟国くんと、ガッツポーズをした。
■交流会スタート!
講演会の後は場所を移し、スナックとソフトドリンクで簡単な交流会を開催した。約20名の方にご参加いただき、講演会の感想や、それぞれのキャリアについての考えなどを聞くことが出来た。
嬉しかったのは、私たちの活動におけるコンセプトに共感していただいたことであった。
「また、講演会企画してくださいよ!」と言ってくださる方に、「ぜひ、今度は一緒に企画しましょう!」と答えた。だって、自分たちも特別とかでも何でもなく、ちょっとした行動と努力の結果であり、皆さんと何ら変わらないんだから。
同じような想いを持った方々が集まると、そこにはプラスの空気が流れていて、皆が笑顔で希望に満ち溢れていて、次はどんな面白いことが待ちわびているのかというワクワク感が漂っていて。
とても居心地のいい雰囲気だった。
交流会も幕を閉じ、当日サポートメンバーと共に、近くの居酒屋で軽い打ち上げ。
アルコールがすきっ腹に染み渡り、達成感と心地よい疲労感に身を任せながら、皆を慰労した。
「これからがスタートだな!」
3人でそう言って、家路についた。
■おわりに
後輩の徳里くんからのひょんな誘いから始まった講演会の企画・運営。
この経験を通して、再度、自分自身のキャリア形成についても見つめ直すきっかけとなった。
現時点では、「どうしたい」という具体的な答えは見い出せてはいないが、今回の講演会でも学んだように、「自身の可能性を信じ行動することで、必ずや想いは実現できる。」ということを、自分自身も含めて証明していきたいと考えている。
組織に属している中で、「個」として出来ることは何か。また、同じ想いを持ったメンバーと、同じ方向にベクトルを合わせて動くことで、ここまで大きな力が生まれるのか。
この活動を通して、今後に向けてのヒントを見つけることができたと思う。
最後に、この企画においてご協力いただいた関係者の皆様に感謝し、終わりにしたいと思う。
Life Career Upの活動はこれからがスタートとなる。
"『未来』って、「今」をどうするかだ。"をmissionに今後も活動していきたい。
Posted by イナズマン at 15:07│Comments(2)
│講演会・イベント
この記事へのコメント
大きな渦の中心になって周囲に影響を与えていらっしゃって、ほんとにすごいと思いました。
自分に出来ること、自分がしたいこと、そして方向性を整理して私も頑張ろうと思えました。
自分に出来ること、自分がしたいこと、そして方向性を整理して私も頑張ろうと思えました。
Posted by kishida eriko at 2012年05月25日 17:20
限られた時間の中での準備、そして当日の運営・・・。お疲れ様でした。
今回は、所要があったため参加できず申し訳なかった。チケットを託したうちの学生からは、まだ報告を受けていないので、私からのコメントも控えておきましょう。
3人の行動力に感心しきりです!!ただただ、普段の生活に流されずに、行動することの大切さを改めて思い知った。最近、出来ない理由を探している自分が少し恥ずかしくなったよ・・・。
これからが、スタート・・・・・。そうだね!
有難う!!
上原
今回は、所要があったため参加できず申し訳なかった。チケットを託したうちの学生からは、まだ報告を受けていないので、私からのコメントも控えておきましょう。
3人の行動力に感心しきりです!!ただただ、普段の生活に流されずに、行動することの大切さを改めて思い知った。最近、出来ない理由を探している自分が少し恥ずかしくなったよ・・・。
これからが、スタート・・・・・。そうだね!
有難う!!
上原
Posted by 上原 at 2012年05月25日 18:25